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灰とヒッコリーのバット

発達障害と精神疾患に悩まされている二十代終わりの男の生活

毎日鏡に言い聞かせなければならない 「お前は悪くない。お前は立派な人間だ」と

俺が何を求めているのか。

 

簡単だ。

 

病気と障害が引き起こす苦痛からの解放。

 

美しく魅力的な女。

 

有り余る富。

 

とても単純だ。

 

言葉や価値観が違う国の人間でさえ、恐らく共感してくれるだろう。

 

しかしだからこそ難しい。

 

多くの人が求めるものは手に入れにくい。

 

当然の話だ。

数には限りがあるからな。

心奪われる女も、強力な力でもある富も有限で、それらを追い求めるものは昔からわんさかいる。

 

では、病気や障害からくる痛みの切除は?

これも難しい。

対処療法でだましだましやっていくしかないが、それよりも強く痛みが襲ってくるからだ。

そもそも、今の医学と私のエネルギーと富ではなおしようがない。

アメリカやEUにでも行ったらもしかしたらどうにかなるかもしれないが、そんな金はない。

 

 

最終的なゴールが経済的な自立だとして。

別に方法はこの国の法律に違反しなければ、何だっていいわけだがそれは難しい。

他人の言葉を理解できない。

上司の言葉を理解できない。

薬のおかげで単純な配達もできない。

人におびえている。

人が怖いのだ。

 

毎日、鏡に言い聞かせなければならない。

「お前は悪くない。お前は立派な人間だ」と。